こんにちは。 さい と申します。ブログを書くのは初めてで不慣れな点もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。 私は居飛車党で角換わりが好きです。棋力は将棋ウォーズ二段(?)です。YouTubeやってます。 チャンネル登録お願いいたします!
今回は2023年9月9日土曜日に行われた【第44回日本シリーズJTプロ公式戦2回戦第2局】について書いていきます。 解説動画はこちらからご覧いただけます。
[基本情報]
・対局者→先手菅井竜也八段、後手藤井聡太JT覇者 ・戦型→四間飛車穴熊vs居飛車天守閣美濃
・今年度の対戦成績(この対局を含める)→藤井JT覇者20-5、菅井八段10-4(敗戦全て対藤井戦)
・対局日→2023年9月9日土曜日
・主催→熊本日日新聞社、日本将棋連盟
・ルール→振り駒、平手、持ち時間各10分。持ち時間を使い切ったら1手30秒未満。考慮時間各1分×5回、時間切れは負け。
・会場→グランメッセ熊本 展示ホールC・D
詳細はこちらからご覧いただけます。https://www.jti.co.jp/culture/shogi/professional/schedule/2023/2-2/index.html
対局の様子はAbemaTVでご覧いただけます。https://abema.app/og4h
2023年度「JTプロ公式戦」の会場観戦は「全席事前申込・抽選制」でなんと!入場無料だそうです!なぜ無料でできるのでしょうか…。ファンにとっては本当に有難い限りです。
私の棋力は高くないので専門的なことは言えないかも知れませんが、印象に残る手をご紹介したいと思います(念のため高段者の方に内容を確認してもらってます!)。全体を通して、菅井八段の積極的な攻め、藤井JT覇者の右銀の活躍ぶりが見所かなと思いました!
23手目▲4五銀まで。 先手の菅井八段は、4四の歩を狙いに積極的に銀を進出します。この手に対し後手の藤井JT覇者は△2三玉と歩に紐をつけて、後に天守閣美濃へ組んでいきます。菅井八段は中飛車党として知られていますが、今回は四間飛車を採用。また、藤井JT覇者は天守閣美濃に組んでいきました。どちらも例が少なく、展開がとても楽しみです。
48手目△8六歩まで。 後手の藤井JT覇者から戦いを起こしました。突き捨ての歩です。この局面から以下の通り進行します。 同歩、▲7五歩、同歩、同角、▲8八飛。
局面がこのように進行しました。この次に藤井JT覇者から派手な一手が飛び出します。皆さん、是非お考えください。
藤井JT覇者が放った一手、なんと△6五銀。歩の頭に銀が飛び出しました。同歩、▲5七角成は攻めの銀と守りの金を交換し、馬を作った後手が指しやすいです。局後の感想戦で菅井八段は「この手は全然考えていませんでした」とおっしゃいました。△6五銀に対して同歩とは取らず▲8五歩、△7六歩、▲9五角、△9四歩、▲8四角、△6四角、▲7八飛、△7七歩、▲6八飛、△5七角、▲8八飛、△5六歩、同金、△6七銀不成と進行しました。
局面は68手まで進みましたが評価値は先手50%、後手50%と互角です。角の捌きを図る菅井八段と、それを許さず右銀の活用から徐々に駒を進出させる藤井JT覇者。ここから▲5四歩、同金、▲6五金と取られそうだった金を逃がし、活用していきます。以下同金、▲5四歩△7五角と進行しました。 菅井八段が金交換を迫ったように見えましたが、73手目同歩とはせず▲5四歩としました。藤井JT覇者の堂々とした△7五角、解説では「▲5四歩を後悔させるような角の飛び出し」と表現されていました。感想戦で菅井八段は「この角の飛び出しを軽視していた」とおっしゃいました。先手は角出に構わず金を取ると、先手から迫った金交換によって、後手に馬を作られてしまいます。また、同角は手順に金取りから免れるので後手の金得となります。
77手目▲5三歩成で評価は先手65%、後手35%。互角の局面から藤井JT覇者はここからリードを保ち、119手を持ちまして菅井八段は投了。藤井JT覇者の勝利となりました。
こちらが投了図。
今回は特に印象的であった中盤戦をご紹介しました。お互いの主張が繰り広げられ、ドキドキハラハラの展開が続きました。短い持ち時間とは思えない読みの深さで、熱の入った迫力ある指しまわしに圧倒されました。
次回の【第44回日本シリーズJTプロ公式戦2回戦第3局】は、9月16日土曜日にサンメッセ香川大展示場で行われます。対局者は渡辺明九段対佐藤天彦九段です。両者共に名人獲得経験のあるトップ棋士です。こちらも見逃せませんね。