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2023年9月12日に行われた第71期王座戦五番勝負第2局 対永瀬拓矢王座戦にて、藤井聡太竜王・名人がこちらの局面で放った強烈な一手が話題となりました。
藤井聡太竜王・名人が放った強烈な一手とは
この局面で藤井聡太竜王・名人が指した手、それは△4ニ飛車です。今回はこちらの手について書いていきたいと思います。 この時点で200手を超える長丁場となっていました。藤井聡太竜王・名人は「入玉宣言法」で勝ちの条件を満たし安全勝ちを狙う手もありましたが、藤井聡太竜王・名人は先手玉を詰ませにいきました。
「入玉宣言法」とは
将棋の勝ち負け(あるいは無勝負)を決めることができるルールの1つで、勝ち負けの条件が「入玉及び点数」となるもの。
「入玉宣言法」は、さらに27点法と24点法の2つの規定がある。アマチュア大会では27点法が採用されていることが多いが、プロの公式対局では24点法が採用されている
27点法においては、宣言をした側が以下の条件を「すべて」満たしている場合に勝ちとなる。
- 宣言側の玉が敵陣三段目以内に入っている
- 宣言側の玉以外の駒が敵陣三段目以内に10枚以上存在する
- 宣言側に王手がかかっていない
- 宣言側の持ち駒と敵陣三段目以内にいる駒の点数(大駒5点、小駒1点、玉0点)の合計が、先手の場合は28点以上、後手の場合は27点以上ある
24点法においては、上記27点法の「宣言側の持ち駒と敵陣三段目以内にいる駒の点数」についての規定のみ異なり、31点以上であれば宣言側が勝ち、24点以上30点以下であれば持将棋、となる。持将棋の場合は先後入れ替えで指し直しとなることが多いものの、対局規定によっては引き分け扱いになることもある。
入玉宣言法 – 将棋用語説明|将棋講座ドットコム (xn--pet04dr1n5x9a.com)
△4ニ飛車以下の変化
- 43合は、34金まで
- 33玉、23馬、42玉と飛車を取ると、41金、43玉、33金まで
- 33玉、23馬、同玉と馬を取ると、22金、34玉、32飛、25玉、24歩、同玉、23歩、15玉、24金、27と までの13手詰
本譜は△4ニ飛に▲3三玉、そして△2三馬と進み、永瀬拓矢王座は投了されました。ここまでの手数は214手。相入玉になると思いきや、藤井聡太竜王・名人は永瀬玉を詰まして勝利を掴みました。藤井聡太竜王・名人は仮に先手玉を詰み損なってしまうと、大駒を永瀬王座に渡してしまい「入玉宣言法」で点数負けになるというリスクがありました。しかし、長時間の対局で疲れも出てきそうな状況下、少ない持ち時間の中で安全勝ちをせずに詰まして勝利を収めたのは凄すぎて言葉が出てきません。
第71期王座戦五番勝負第2局の解説動画を出しています。よろしければご覧ください。
第71期王座戦五番勝負の対戦成績は1-1となりました。第3局は9月27日水曜日に愛知県名古屋市で行われます。お二人の対局がとても楽しみです。
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